年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | - | - | 27 | 21 | 21 | 36 | 111 | 272 | 334 | 173 |
当院は高齢者施設を有していること、また透析治療等の継続的な加療が必要な疾患を診療していること、及び地域社会の高齢化等の影響から、70代以上の患者割合が高く、78.13%となっています(前年度より2.63%減少)。
しかし今年度は2016年指標作成開始から初めて10~30歳代の患者比率が5%以上を示していました。他院よりの紹介増加及び超高齢者の減少が背景にあるものと思われます。
全体の平均年齢は76.46歳、男性は75.37歳、女性は77.84歳となっています。平均年齢は前年度と比較すると、全体で約2歳、男性約1.6歳、女性約2.1歳下がっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) |
平均在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130040xx99x4xx | 多発性骨髄腫、手術なし、処置2_4あり | 13 | 29.54 | 19.16 | 0.00% | 92.38 | - |
130030xx99x9xx | 非ホジキンリンパ腫、手術なし、処置2_9あり | - | - | 12.88 | - | - | - |
130040xx99x5xx | 多発性骨髄腫、手術なし、処置2_5あり | - | - | 16.12 | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
当院では悪性腫瘍に対する繰り返しの化学療法が必要なものが上位を占めています。その中でも例年『多発性骨髄腫』と『非ホジキンリンパ腫』という疾患が多いです。同じ疾患名であっても、治療方法により異なるコードが付与されるため、同じようなものが並ぶ結果となっています。
『多発性骨髄腫』の症例の違いは使用した薬剤によるものです。(当院では、処置2_4は4種類の薬剤が該当し、処置2_5は3種類の薬剤が該当します。)
全国の平均在院日数と比較すると平均10.38日長くなっています。これは平均年齢が90歳以上と高齢であることが要因と考えられます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) |
平均在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし | 49 | 43.86 | 20.60 | 0.44% | 84.65 | - |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 処置2なし | 22 | 43.50 | 18.65 | 0.44% | 80.18 | - |
0400801499x002 | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし A-DROP スコア2 | 14 | 13.57 | 15.44 | 0.00% | 84.93 | - |
040100xxxxx00x | 喘息、処置2なし、定義副傷病なし | 12 | 18.42 | 6.37 | 0.00% | 67.42 | - |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸、手術なし、処置1あり | 11 | 2.00 | 2.03 | 0.00% | 49.64 | - |
当院では、高齢者に多い誤嚥性肺炎の他に、間質性肺炎、市中肺炎、気管支喘息や咳喘息、医療/施設関連肺炎、肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、アスベストなどの粉塵に起因する肺疾患など内科的疾患を網羅的に診療しています。
外来通院診療、入院治療、入院及び外来リハビリテーションと病状に応じてシームスレスに対応できる事が特色です。
COVID-19患者の入院も受け入れていますが、集計対象からは除外されるためこちらには反映されていません。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) |
平均在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 65 | 2.14 | 2.61 | 0.00% | 84.65 | - |
060380xxxxx0xx | ウイルス腸炎、処置2なし | - | - | 5.64 | - | - | - |
060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし | - | - | 8.95 | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
消化管精査のための入院が多く、検査の結果ポリープ切除を行ったというものが最も多くなっています。 当院では切除後の経過観察のため1泊入院をしていただいています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) |
平均在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx03x0xx | 慢性腎不全、内シャント血栓除去術等 処置2なし | 16 | 4.00 | 4.51 | 2.70% | 76.44 | - |
110280xx02x00x | 慢性腎不全、動脈形成術・吻合術(その他の動脈等)、処置2なし、定義副傷病なし | - | - | 7.57 | - | - | - |
110280xx9900xx | 慢性腎不全、手術なし、処置1なし、処置2なし | - | - | 11.49 | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - | - |
血液透析治療を実施している当院では、2021年度より人工透析患者の血管手術が施行可能となり、今年度も手術をしている症例が上位を占めています。
コーディングの確認が不十分で指標7にも含まれていますが、こちらを加算すると、約50~60件はバスキュラーアクセスのための入院ということになります。
近隣クリニックだけでなく大分県内の他の医療圏からの紹介も多くなっており、バスキュラーアクセス管理病院としての機能を担っていると考えます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) |
平均在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
170020xxxxxx0x | 精神作用物質使用による精神および行動の障害、定義副傷病なし | 40 | 1.25 | 3.05 | 0.29% | 32.78 | - |
160650xx99x0xx | コンパートメント症候群、手術なし、処置2なし | 37 | 48.92 | 25.34 | 2.95% | 81.43 | - |
110310xx99xxxx | 腎臓または尿路の感染症、手術なし | 33 | 21.91 | 13.52 | 0.29% | 82.79 | - |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害、手術なし | 19 | 6.26 | 4.73 | 0.00% | 6.26 | - |
180010x0xxx0xx | 敗血症(1歳以上)、処置2なし | 14 | 20.86 | 20.03 | 0.59% | 77.50 | - |
当院における「精神作用物質による精神および行動の障害」とは、『急性アルコール中毒』が該当します。患者は20~80歳代と幅広く、20~30歳代の割合が80.00%と高いです。新型コロナウィルス関連の規制緩和による機会の増加等の影響か、患者数は前年度と比較し110.53%も増加していました。
また、近隣の医療機関と連携をとり、超急性期治療を終了された患者のリハビリテーション目的の入院が多くあります。加齢に伴う各種機能低下、骨の脆弱化や筋力低下などによってひき起こる疾患等では、リハビリだけでなく在宅等の環境調整を実施することが多くあります。
「コンパートメント症候群」を全国平均在院日数と比較した場合、約23.58日長い状態です。平均年齢が80歳以上の高齢者であり持病を多く持っていること、環境調整に要する期間が要因と考えられます。
初発 | 再発 | 病期分類基準 (※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
大腸癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
肺癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
当院では、『早期発見、早期治療』を目指し、検診・診療を行っていますが、検査入院時には診断が付かない場合もあります。またステージが決定し、加療を行った場合も、件数は多くなく表示はできませんでした。
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 35 | 16.34 | 79.91 |
重症 | - | - | - |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
肺炎患者数は前年度と比較し28.95%増加していました。今年度も引き続きの新型コロナウイルス感染症の流行がありましたが、感染症法の類型引き下げに伴い、生活スタイルが変化し、各種制限・自粛が緩和されたことも影響しているかもしれません。また、新型コロナウイルス感染は継続して流行を繰り返しており、高齢者以外でも軽い症状の間での病院受診の機会が増えている影響と考えます。
重症度別の患者割合は、前年度と比較し重症、超重症は大きな変化はありませんでした。しかし、軽症が10%減少、中等症が10%増加しています。受診機会の変化による影響かは不明ですが、前年度と比較すると軽症患者の平均年齢が約15歳下がり、平均在院日数も約3.5日短縮されていました。
発症日 | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
- | 12 | 167.08 | 80.42 | 8.33% |
発症日「3日以内」、「その他」と分類されますが、急性期治療後の継続加療のための入院が多いため、発症日は「その他」に分類される患者が多くなっています。 平均年齢が80歳以上と高齢のため、リハビリに要する期間は長くなり、入院が長期化する傾向にあります。
手術コード | 手術名 | 患者数 | 平均 | 転院率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 術前日数 | 術後日数 | ||||
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長経2㎝未満) | 70 | 71.53 | 0.94 | 2.13 | 0.00% |
K653-3 | 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 | - | - | - | - | - |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
- | - | - | - | - | - | - |
当院は内科の専門病院であるため、手術は多くありません。内視鏡を用いて行う、大腸や直腸など下部消化管のポリープおよび早期癌の切除や、消化管からの出血に対して止血術を行っています。また誤嚥防止や栄養供給のため胃ろう造設術やCVポートの設置を行っています。
手術コード | 手術名 | 患者数 | 平均 | 転院率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 術前日数 | 術後日数 | ||||
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) | 32 | 79.84 | 4.66 | 12.25 | 12.50% |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 14 | 78.71 | 8.50 | 24.07 | 7.14% |
K616-42 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) | 14 | 82.71 | 4.36 | 12.29 | 0.00% |
K6147 | 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) | - | - | - | - | - |
K607-3 | 上腕動脈表在化法 | - | - | - | - | - |
当院は内科の専門病院であるため、手術は多くありません。しかし、2021年度より開始となった人工透析患者の血管手術は年々増加しています。
前年度と比較すると、退院患者全体では36.23%増加していました。指標2腎臓内科の項と同様の解説となりますが、近隣クリニックだけでなく大分県内の他の医療圏からの紹介も多くなっており、バスキュラーアクセス管理病院としての機能を担っているのだと考えます。バスキュラーアクセス異常早期発見のための検査など術前/術後の管理にも、力を注いでいます。転院率が10%以上を示している手術もありますが、すべて手術には関係しない他疾患の発症や、もともとの管理病院へ帰ったものなどでした。
2023年度の入院における血管手術実施延べ件数は100件を超えていました。
DPCコード(6桁) | DPC名称 | 契機病名 | 症例数 | 請求率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固 | 同一 | - | - |
その他 | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
その他 | 12 | 1.20% | ||
180035 | その他の真菌症 | 同一 | - | - |
その他 | - | - | 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 27 | 2.71% |
その他 | - | - |
血液疾患や透析等の加療を行っている当院では、感染症等のリスクが高い患者が多いと言えるため、十分な説明と、細心の注意を払い診療を行っています。
手術・処置の合併症 の内訳は「透析シャント閉塞/狭窄」が96%です。
こちらは病名コーディングを行う上で別のものを選択する必要があることが判明し、年度途中よりコーディングテキストより適正なものへ修正しました。(修正したものは、指標2の腎臓内科の項目となります。)
請求済みのものが残るかたちとなりましたが、今後再度監査を徹底したいと考えます。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) | 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) | リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
---|---|---|
- | - | - |
当院で実施可能な手術は、リスクレベル「中」には該当しません。
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) | 血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
171 | 119 | 69.59% |
培養とは検査の1つで、血液や痰、尿などを調べ原因菌を特定するものです。血液培養を2回測定する理由としては、何らの理由により検体が汚染されたことを血液中の細菌類と勘違いしないようにするためです。2回とも同じ菌が検出された場合、同定されるなど、検査の精度を上昇させる意味もあります。血液培養検査を複数セット採取することが、世界的なスタンダードとなっています。
当院の診療科別患者割合は、呼吸器内科約20%、消化器内科、血液内科、循環器内科がそれぞれ10%以上を占めています。血液疾患の場合は、診療ガイドライン上も実施する頻度は高いと考えますが、病院全体で考えた場合、高齢者が多いこともあり1セットのみしか検査実施できないケースもあります。また、特に呼吸器内科の場合は、検体が血液以外のケースが多くあることから、当該指標の実施率は約70%程度となっていると考えられます。
日本病院会が実施している、QI(医療の質を表す指標)プロジェクトへ提出している資料を確認すると、他施設との比較ではおおむね80%以上が平均となっていますが、当院全体としては平均76.58%となっています。前述の理由によるもの、および、計算式(退院していない患者も含めて計算)の違いによるためだと考えられます。
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) | 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) | 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 |
---|---|---|
95 | 64 | 67.37% |
広域スペクトル抗菌薬とは、多くの病原体へ効果のある抗菌薬のことです。効果の高い薬である反面、漫然と使用し続けると薬剤に対する耐性ができ、効果が少なくなる/なくなる状態となる場合があります。あらかじめ培養検査にて病原菌を特定し、より効果的な治療をし結果的に耐性化を防ぐため、どの程度検査ができているかの指標となります。
前項指標解説にもありますが、当院の診療科別患者割合は、呼吸器内科約20%、消化器内科、血液内科、循環器内科がそれぞれ10%以上を占めています。最も患者が多い呼吸器内科では、指標2で示した通り、誤嚥性肺炎が最も上位となっていますが、これはそもそも検体採取が困難な場合が多いです。また、血液内科では、薬剤を変更しつつ長期間投与することも多いため検査のタイミングが難しい場合もあるようです。
病院全体としては、上記要因や、患者の平均年齢が75歳以上と高齢者が多いこと、繰り返し入院する患者が多く以前の検査結果から効果的な抗菌薬を判断する場合もあることなどが重なるため実施率が少なく感じるのかもしれません。
日本病院会が実施している、QI(医療の質を表す指標)プロジェクトとは、対象薬剤の違いおよび計算式(退院していない患者も含めて計算)の違いもありますが、全国的な指標として比較してみると、他施設はおおむね83%以上が平均となっていますが、当院全体としては平均76.19%となっています。