検体依頼数の98%は院内で実施しています。
当院の臨床検査科は現在、臨床検査技師8名、検査事務員1名のスタッフで構成されています。病理検査と細菌検査および特殊検査は外注していますが、検体依頼数の98%は院内で実施しています。
臨床検査科のスタンスは常に“必要とされる臨床検査技師”です。患者さんを中心とした医療スタッフの一員として専門である臨床検査の情報提供や検査結果に対する疑問を臨床医や看護師、時には他のコ・メディカルなどとディスカッションすることでチーム医療に関わっています。
臨床検査科には大きく分けて、
①検体検査(血液・尿・便などから検査)
②生理機能検査(心電図や肺機能など患者さんの体を直接調べる検査)
の2種類あります。
血液中の赤血球、白血球、血小板の数やヘモグロビンの量を調べる検査です。貧血だけでなく炎症の度合い、また白血病など異常細胞の有無がわかります。
血液中の30種類の成分を測定します。(蛋白質、AST、ALT、γ-GTP、尿酸、コレステロール、他)肝臓や腎臓、心臓などの臓器の異常や、脂質代謝の異常などを反映します。
B型肝炎やC型肝炎などの感染症や甲状腺機能、ほかにも前立腺疾患や鉄欠乏性貧血などの指標として用いられる検査です。
血糖値とHbA1cを測定します。HbA1cとは、過去1~2か月の血糖値の平均を反映するものです。
2つを同時に検査することで、糖尿病などの血糖のコントロールの状態を調べます。
PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、フィブリノーゲン量などを測定することで、血液の固まり方に異常がないかを調べます。
また、PT検査は血栓症の治療薬であるワーファリンの投与量を調節するために大切な検査です。
尿中の蛋白や糖、赤血球、白血球について調べます。尿蛋白は腎機能障害などの発見や治療の指標となります。
また、尿糖は高血糖時や肥満、膵炎、肝硬変や腎機能障害などで高くなることがあります。赤血球と白血球は泌尿器に出血や炎症があると、尿中に出現、増加していきます。
当院では地域保険薬局との連携の一環として、患者さんの検査値の一部を処方鑑査に必要な情報として院外処方箋に記載することといたしました。
記載される検査項目、基準範囲など詳細につきましては下記をご覧ください。
心肥大、不整脈、心筋虚血(狭心症、心筋梗塞)などの有無を調べます。
小型の心電計を24時間装着して、長時間の心電図を記録する検査です。短時間の心電図検査で見つからない不整脈などを見つけることができます。
この検査は両腕、両足の血圧を測定することにより、血流を調べ、全身の血管の動脈硬化の状態をチェックしますが、特に下肢の慢性閉塞性動脈硬化症の診断に役立っています。
タバコを吸うことでタバコに含まれる200種類以上の有害物質を体内に取り込むことになります。代表的なものに一酸化炭素、タール、ニコチン等があります。
この検査は、一酸化炭素を指標として有害物質をどのくらい取り込んでいるかを調べるものです。
気管支ぜんそくの患者呼気中には、健常者に比べNO(一酸化窒素)が多く含まれます。
呼気中のNO(一酸化窒素)を測定することで、喘息補助診断や気道炎症のマーカーとなる検査です。
糖尿病性網膜症による眼底出血や高血圧に伴う眼底出血は、大変危険なので早期に診断する必要があります。
自覚症状が無くても検査で異常があればすぐに眼科にご紹介いたします。
鼻づまりがないか調べる検査です。主に睡眠時無呼吸症候群や神経性鼻閉症が疑われる時に行います。CPAP療法をされている方には特に必要な検査です。
足先の血流を調べる検査です。レーザを用いることで毛細血管レベルの血流を測定することができます。
糖尿病や透析患者の足病変(潰瘍、壊疽等)の早期発見、早期治療に有用な検査です。
・簡易スクリーニング検査(SASスクリーニング)
自宅で睡眠中の呼吸や酸素飽和度などを小型の装置に記録します。
・終夜ポリグラフ検査(PSG検査)
一泊入院していただき脳波、呼吸、筋電図、目の動き、体位などから、睡眠の状況を確認します。