医療法人大分記念病院

排泄・嘔吐物の取扱について

食事の悩みアドバイス 

がん治療による食事の悩みアドバイス

がん治療を行う際に大切なポイントは「栄養状態の維持・向上」です。
食べることを楽しむ日々を送っていただくために、自分のライフスタイルに合った食生活を見つけて、食事の知識を学ぶことが大事になります。
食べることの妨げとなる様々な症状に対する食事の工夫を、ご紹介します。

食欲不振のとき

食べたいときに食べられるものを食べる

たんぱく質が豊富な卵や乳製品、豆腐など少量でも栄養価の高い食品を選びましょう。
のどごしの良いもの、冷たいもの、酸味のあるもの、味付けが濃いものなどがおすすめです。

おすすめの食べ物

  • アイスプリン
  • ゼリー
  • ヨーグルト
  • 温泉卵
  • 冷奴
  • そうめん
  • うどん
  • おしるこ
  • 茶碗蒸し
  • 卵豆腐
  • 牛乳
  • パンプディング
  • 果物
  • 梅粥など

※ワンポイント:牛乳にはきな粉やココアを入れるとより良いです。また、梅干しなどの酸味やしょうがの香りが唾液の分泌を促します。豆腐に乗せて食べるのが簡単でおすすめです。

量を減らし、食事の回数を増やしましょう

食事は量を少なめに盛り付ける方が食べる意欲が湧きやすくなります。彩りよく盛り付けると、より食欲が刺激されて効果的です。

楽しく食事が出来る環境つくりをしましょう。

好きなものや、楽しい思い出につながる料理などを試してみるのも良いです。
「家族で食べたお寿司」などのように具体的に楽しい思い出や、好きな食べ物を想像することも大切です。

口内炎があるとき

薄味で冷たいものを

冷たい料理は痛みを軽減させます。刺激物や味の濃いもの、熱いもの、硬いものは避けましょう(柑橘類、香辛料など)。
液状のものは、ストローで飲むと痛みを感じにくくなります。食べ物を一口サイズにカットするのも良いです。

おすすめの食品

  • シェーク
  • スムージー
  • リゾット
  • 冷製ポタージュ
  • あんかけ

嘔気・嘔吐があるとき

さっぱりしたものを

冷たくさっぱりとした料理が食べやすいです。無理に食べることは控えて、ゼリーやシャーベット、アイスクリームなど食べやすいものを少しずつ摂りましょう。
口の中のケアも大事です。歯磨きを毎日丁寧に行い、うがいで口の中の乾燥を防ぎましょう。レモン水や氷水でのうがいや歯磨きで嘔気が治まることもあります。

味覚の変化があるとき

味を感じにくいときは、だしをきかせたり、ごま油など風味があるものを調味料を使ったり、ソースをかけたりして味にアクセントをつけましょう。
苦味や金属味があるときは、塩味を控えめにし、だしの風味や柑橘類、酢の酸味を利用しましょう。薬味(ごま・わさび・大葉・のりなど)、ハーブ、香辛料などで味にアクセントをつけるのもおすすめです。
亜鉛が多く含まれている食材を使用するのもおすすめです(牡蠣、肉類、鰻、玄米、そば、マカロニ、チーズ、ココア、ナッツ、たまご、レバーなど)。卵は亜鉛が豊富なため、だしのうま味を利用した茶碗蒸しやかきたまうどんはぴったりのメニューです。

さいごに

常備しておくと助かるのが「栄養補助食品」です。
少量でエネルギーだけでなく、たんぱく質、ビタミン、亜鉛、鉄、カルシウムなどのミネラル、食物繊維を摂ることができます。
ドリンクタイプとゼリータイプがあり、市販にもたくさん売られています。味の種類も多く、好みの商品をいくつか見つけておくと、いざという時に手軽に食べることが出来るので良いと思います。

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